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和食器初心者さんも安心!知っておきたい16の基礎用語

和食器には作り方や食器の部位など、普段耳にしない独特の用語が沢山出てきます。
そこで、今回は出現頻度の多い用語を中心に、15の和食器用語を紹介いたします。

基礎の基礎!覚えておきたい15の用語

素地(きじ)

陶磁器の製作において、粘土などを成形し焼成する前の状態や、素焼きの後釉薬を施す前の状態を素地と言います。

釉薬(ゆうやく/うわぐすり)

一般的に「ゆうやく」と呼ばれるが、実は「うわぐすり」が正解!

装飾や水や汚れの浸透防止を目的に器の素地の表面に様々な質感と色の皮膜を作るための原料。種類は多岐に及ぶ。

灰釉(かいゆう)

釉薬の1つ。草木を燃やした灰に水を入れアク抜きしたものを用いるため、この名前に。

元となる植物の種類により発色や風合いが異なるが、いずれも柔和で深みのある表情となることが特徴です。

鉄釉(てつゆう)

鉄分を多く含む釉薬のこと。絵付けを含めて陶磁器の茶色はほぼ鉄釉と思って間違いない。

鉄の含有量や焼成の具合で発色が異なり、高温で焼成し急速に冷やすことで黒く発色することも。

貫入(かんにゅう)

釉薬の表面が細かくひび割れたようになったもの。意図的にひび割れを作り出すことで器に多様な表情を与える。

また、意図しない食器のひび割れも同様に貫入と呼ばれ、こちらは修理が必要。

刷毛目(はけめ)

本来は釉薬の中に素地を浸けるのに対し、刷毛を用いて素地に釉薬や化粧土を施す技法。
円を描くのが一般的だが、器全体に刷毛塗りを施したものを「総刷毛目」と呼ぶことも。

面取(めんどり)

厚めに成形した後、素地の表面をヘラで削ぎ落とし直線的・平面的な造形とすることを面取といいます。和食器の多様な形を生む技法の1つ。

象嵌(ぞうがん)

表面に模様などを彫り、異なる素材を埋め込む技法のこと。

陶器ではグレーの素地の表面に彫りを施し、白い土を埋め込む「三島」が代表的。描いた模様とはことなる立体感ある表情になることが魅力です。

窯変(ようへん)

焼成中に炎の具合や灰が舞い落ちるなどして釉薬の溶け具合や器の趣に予想しない様相を呈することを窯変と言います。

偶然の産物のため、時として高い評価を受けることも。

印判(いんばん)

主に染付の器で呉須(コバルト)を和紙に銅版印刷したものを水に浸し、素地に転写する下絵のこと。

同じ図柄のやきものを大量に作ることを目的に生まれた技法です。

たたら

粘土のかたまりの左右にたたら棒と呼ばれる板を置き、糸を使って粘土を切る技法。

長皿などの四角形の器を作るのに適しており、均一な肉厚が保たれるのでろくろ成形とは異なる味わいに。

手びねり

ろくろや型を使わずに手だけで成形する技法。別名を「手づくね」と言います。
ろくろを使った成形と比べると形に制限がなく、どんな形でも自由に作ることが特徴です。

高台(こうだい)

器の裏側の突き出た部分。成形時専用の道具で削って形作る。

高台の素地(きじ)の「色」と「質感」を見ることで陶器か磁器かを見分けることが出来ます。

  • 陶器:高台の色がが白以外。質感がざらざらしている。
  • 磁器:高台の色がが白。質感がなめらか。

また同様に高台を見ることで陶芸家の技量を知ることが出来るとされる。品評会などで鑑定人が器を裏返して見ているのはこのため。

見込(みこみ)

器の内側全体、あるいは底の部分を指す言葉です。釉薬の溜まりや色絵などの装飾を楽しんだりと、「景色」「高台」と同様、器の見どころの1つとされます。

景色(けしき)

焼成の結果、釉薬・胎土が炎によって変化したさまを景色と呼び、器を鑑賞する際の見どころにあげられます。作品に生まれた表情とも言い換えられますね。

写し(うつし)

名物とよばれる名品を手本とした器を写しと呼びます。贋作やコピー品とは明確に区別され、先人の技法に対して畏敬の念を込めて作られます。

手本とされる名品は「本歌」と呼ばれます。

知れば知るほど好きになる和食器の魅力

難しそうに感じる用語も多いですが、知っておくと和食器の魅力がよく理解できたり、新しい発見があったりします。

基本的な用語を覚えて、和食器をより身近な物に思えてもらえれば嬉しいです。