もっと知りたくなる。味わい深さが魅力の「粉引」
こんにちは。
ナチュラルで素朴、そして温かみがある優しい表情。
今回は、独特の魅力がある「粉引」について、その製造方法や取り扱い方、食卓での合わせ方など、少しご紹介させて頂きます。
粉引の器は、黒土や赤土で形作られた素地に白化粧土をかけ、さらにその上から透明釉をかけて作られます。
粉引の作業を施すことで、独特な優しく温かい印象になり、ナチュラルな風合いを楽しめます。
「粉引=白い見た目」をしていますが、同じ粉引でも素地の種類や化粧土のかけ方の違いで、その印象は異なってきます。
また、素地+化粧土(釉薬)と層が重なることによって、強度が通常の陶器より弱くなるため、取り扱いにはある程度の注意が必要となります。
粉引の器は、層が重なっているため吸水性が高く、その白さと制作方法から汚れやシミが付きやすく欠けやすくなってしまいます。
ですが汚れといっても、それを「味」と捉えて使い込んでいく考え方もあり、それも魅力と楽しみ方のひとつと言えます。
一見難しく感じてしまいがちですが、お手入れ次第できれいな状態を保って使えますし、使い込んでいくうちに経年変化で味わいが出てきて、また違った楽しみ方ができるようになります。
—–
粉引の話を進める前に、そのベースとなる「陶器」についてお話しします。
焼き物の素材は陶土と磁土があり、陶土で焼かれたものを陶器といいます。
先ほど粉引の説明でも記述しましたが、陶器は吸水性が高く強度が弱くなってしまうため、磁器よりも厚めに作られます。
陶土にも様々な色や種類があるので、釉薬との組み合わせ次第でいくつもの表情を作ることが可能です。
陶器は吸水性があり、粒子と粒子の間に茶渋や料理の汁などが入りやすくなっていて、その結果水漏れしてしまう場合があります。
そのまま放置していて、気づけばシミになってしまった、、なんてことも起こり得ます。
水漏れ・シミ付着予防の為にも、最初に「目止め処理」を行いましょう!
そして陶器を使用する際には、その都度水分を含ませてからの使用が好ましいです。使用後にはすぐに台所用洗剤で洗い、よく乾かしてください。
長時間食べ物を入れたまま置いていると、シミやカビなどの原因になりますので、食卓から下げたら残った料理などは別の容器に移し変えましょう!
意外と簡単な「目止め」の方法。
一般的に紹介されている目止め方法はこちらです。
1、米のとぎ汁を器がかぶるくらいに、器と一緒に鍋に入れます。
2、20分ほど弱火で煮沸します。
3、そのまま鍋ごと冷まして、器を洗い、よく自然乾燥させます。
これで以上です!簡単ですね♪
でも、なぜ米のとぎ汁なのでしょうか?
それは、米のでんぷん質が粗い土同士の隙間を埋めてくれて、汚れを染み込みにくくしてくれるからだそうです。
米のとぎ汁の代わりに、小麦粉を溶いた水を代用しても良いそうです!
お米も小麦粉も、家庭によくある食材なので、身近なもので対応できるのは嬉しいですね。
ただ、この方法でも完璧に隙間を埋めることは難しいことですので、使用する際は気をつけておきましょう。
同じ陶器でも、「水漏れ防止の加工」を器の表面に施しているものもあります。その場合は、最初の目止め処理をする手間が省けるので、購入する際は一度チェックしてみましょう。
陶器は特に最初が肝心と言われる器なので、購入する際には取り扱い方法を確認し、必要なケアを行なってから家庭で使用しましょう。
日々の食卓で使うものだからこそ、永くきれいな状態を保てるように心がけたいですね♪
素朴さが魅力のひとつである粉引の器は、日々の食卓の料理によく合います。
デザインや釉薬の表現によっても異なりますが、その風合いは和食から洋食、そしてティータイムのデザートまで、幅広い料理と合わせることが出来ます。
ナチュラルな雰囲気で料理を引き立てて、その味わい深さでコーディネートに深みを加えます。
器の色がベーシックカラーの白なので、色ものや柄ものの器と合わせても調和しますし、同じ粉引同士で違ったデザインを組み合わせても可愛いです。
きっと、“定番”として使い続けたくなる。
合わせるシーンや料理を選ばず、ほっこりと優しい雰囲気で生活に寄り添う粉引の器は、きっと食卓の定番の器として活躍します。
使えば使うほど味が出てくるようで、その味わい深さに愛着が湧いてきます。
是非、お気に入りの「粉引」を見つけてください♪
〈関連記事〉
この記事をシェアする